子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

はじける芽を送る人へ

はじける芽を送る人へ

(           ) 様

42年間の職場からさらば

 この3月で、教育現場から、完全に解放されました。37年間の現職を終え、5年間ほど再任用3年間と嘱託2年間をして、合計42年間の教職経験でした。その間、豊島区で7年間、墨田区で35年間勤めました。
 教師になって初めての職場は、様々な個性のある先輩に恵まれました。特に同学年のお二人の先輩教師には、いつも学年会をして、新米の私を叱咤激励して育ててくれました。特に作文教育を大切にしておられる教師と同学年を組んだことが、今考えてみれば運命的な出会いでした。あの頃の大須賀敬子先生は、いつも元気に燃えていました。

楽しい競争

 同じ職場に、仲間を大切にする教師がたくさんおられました。毎日のようにスポーツをやって、その後は、アルコール入りの教育談義でした。大学まで続けていたバスケットボールは、教育実践には大いに役立ちました。教師のスポーツは、何でも楽しみました。バレーボール、野球、サッカー、卓球、水泳と、練習に明け暮れました。夏のプールで、先輩教師5人と一緒に、1万メートルをめざして、泳ぎ比べもしました。秋になると、10万メートルをめざして、校庭のトラックを毎日のように、早朝に走ったりしました。20代の7年間でした。

作文教育の出発

 教師2年目の年から、作文の全国大会に参加して、大いに刺激を受けて帰ってきました。それ以後、子どもの日記を読むことがとても楽しくなりました。いつも子どもに赤ペンを入れながら、保護者の方とも対話を広げることができました。プライバシーと言うことがやかましく言われなかった頃の、古き良き時代の実践でした。

いき過ぎたプライバシー

 「個人保護法」という名で、教育の世界にも行きすぎたプライバシーが広がっている気がします。「子どもの日記や作文を読む」と言うことは、教育の一環で行っているものです。その子の可能性を引き出し、応援して、ときには自信を持たせるために赤ペンを入れているのです。「家庭の中がわかってしまう。」などと言って、はじめっから疑問を持つ親も出てきました。そんな親に限って、教師のことをよく言わず、プライバシーを強調し過ぎて、親子の間や教師の間もうまくいかなくなった関係を何度か味わいました。「あのときの親のふるまい」が、子どもと私の関係をよくしなくなってしまったと、あとから悔やむことがいくつかありました。

作文教育と向き合う

 本当に「作文教育」がやりづらい時代になりました。でも、ほとんどの保護者は、好意的に理解してくれました。退職して、5年間の間も、「作文教育」から離れずに、子どもたちと最後まで向き合うことができたことは、本当にありがたいと、感謝しています。
 最後の学校では、「人権作文集会」を学校ぐるみで取り組んでくださいました。また、6年生の「卒業文集」は、4年間連続で関わって、担任と一緒に取り組むことができたことは、本当にありがたいことでした。最後の2年間は、2年生から6年生まで、作文の授業を1週間に1時間持たせてくれました。このことも、あらためて職場のみなさんに感謝します。

国分一太郎生誕100年

 これからは、まったく自由になりました。ちょうど、今年が、わが恩師、国分一太郎先生の生誕100年です。7月23日(土)~24日(日)の2日間、地元山形県東根市で研究会を開く予定です。今、その準備に昨年からはじめています。

忘れられない日

 3月11日の東日本大震災は、大きな爪痕を残し現在に至っています。やはり、福島原発事故の問題は、我々を恐怖の世界に巻き込みました。故郷を強制的に追い出された人のことを思うと、何を我々がすればいいのかと、自分に問い正してしまいます。
 外国のメディアから入るニュースと、国内のニュースの違いに驚きます。日常のメディアでなく、違ったところからメールが飛び込んできます。「広瀬隆・福島原発」や「広河隆二・原発事故」などを検索すると、「安全・安心」と政府や東京電力の社員が流しているのと、まったく違う事実が語られています。ときには、それが生々しく動画で見られます。それを見ていると、テレビの画像に出てくる学者が、ほとんど「御用学者」に見えてきます。

真実のことを見抜く力

 作文教育で、子どもたちに大切に教えてきた、「事実をありのまま」に伝えるのでなく、どこかで操作された事実が語られている気がしてなりません。私達の暮らしから、水や空気が汚染されたら、尋常には暮らしていけないのですから。

これからのこと

 色々脱線しました。これからは、今まで子どもと向き合って書かれた作品を整理し、分類してみようと考えています。とりあえず、19年間、組合の新聞に書いてきた「はじける芽」をまとめてみました。これを、少しずつ、分類してみようと考えています。その分類したものは、私のホームページにも載せていく予定です。「えのさんの綴方日記」と、あわせて「国分一太郎生誕100年」も検索してみてください。
     2011.4月吉日 榎本  豊

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