子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

12月16日(日)神山さんから送られたアエラの抜粋

12月16日(日)神山さんから送られたアエラの抜粋

 アエラに載った、読書感想文廃止の動きについて送られてきたので、ここに載せておく。
 夏休みの「読書感想文」が読書嫌いを加速? 驚きの調査結果も
 8月、メルカリの「宿題代行出品禁止」が話題となった。その代表格でもある読書感想文に、夏休みの終わりまで苦しめられる親子は多い。本嫌いを加速させる側面さえ指摘されるなか、いったい何のために書かなければならないのか。
 小学5年生の息子を持つ東京都内在住の母親(45)は、夏の終わりに頭を抱えていた。悩みの種は、「夏休みの読書感想文」だ。
 学校からは「好きな伝記を選んで書け」と言われ、野口英世の本を選んだ。だが、1枚半の原稿用紙が全く埋まらない。
 ようやく書けたのは「僕がこの本を読んで一番、びっくりしたのは野口英世が子供の頃、囲炉裏に落ちて、火傷(やけど)を負ってしまったことです。以上で僕の感想文を終わりにします。」という4行の文章だけだった。
 すぐに「このままではだめだ」と思った。しかし息子は、英世が医学博士になるくだりは全く感動しなかったと言っている。実のところ、自分もそんなに感動はしなかった。だが、大人がこの本を読ませて、何を言わせたいのかはわかっている。
 でも、それが“読解力”というものなのか?
「結局、感想文は半分だけ書いて出しました。四コマ漫画を例に出して、『起承転結が大事だよ』って教えたんですが、あんまりピンと来なかったみたいで……。夏休みの最後まで書けずに、2人で悩んでいましたね」
 この母親のように、毎年子どもの読書感想文に悩まされる親は多い。AERAネットのアンケートにも、「あらすじを書くだけで、感想文になっていないのでどうしようかと思った」(静岡、56歳男性)、「面白かった、良かった、という感想くらいしか思いつかないようで、3ページ以上も書けずに困っていた」(島根、40歳女性)、「アドバイスしても、子どもはどんどん機嫌が悪くなるし、かと言って自分が書くわけにもいかないし……」(埼玉、44歳女性)といった声が寄せられた。
 そもそも読書感想文は、いつからどんな目的で始まったのか。
20年以上にわたり学校現場を取材してきた教育ジャーナリストの佐藤明彦さん(45)は、「読書感想文は、もともと国が書くように定めたわけではなく、学校の自主的な取り組みとして始められたものです」と話す。
「宿題として課されるようになったのは、1950年代前半から。戦後、教材が自由に選べるようになり、学校図書館の整備も進められました。それに伴い多くの学校で、子どもが好きな本を読んで感想を書く取り組みが行われるようになったんです」
 実は、定期テストや家庭訪問、通知表といった取り組みも、自然発生的に生まれたという。
「学校にはこうした『昔からやっているから』という理由で、今も続けられている制度がたくさん残っています」(佐藤さん)
 もちろん、読書感想文をやる“お題目”はある。よく言われるのは、読書習慣を身につけさせること。その上で、読解力や文章力、さらには論理的思考力を養いたいという狙いもある。
 ただ、「そうした能力を子どもに身につけさせる上で、はたして読書感想文が有効なのかはわからない」と佐藤さんは語る。
「例えば、2015年に経済協力開発機構(OECD)が実施した学力調査の結果を見ても、日本の子どもは読解力が弱い。感想文のほか朝読書など、様々な形で努力はしていますが、成果が出ているのかは未知数です」
 実際、読書習慣も身についているとは言い難い。今年2月発表の、全国大学生活協同組合連合会が全国の国公立・私立の学生約1万人に行った調査によれば、1日の読書時間が「ゼロ」と答えた学生は53.1%で、半数を上回った。
 読書感想文については、子どもが興味を持ちづらい本を「課題図書」に指定し読ませることで、むしろ読書嫌いを加速させているといった指摘さえある。
「課題図書を指定する学校は、全体の2割ほどで多くはありません。ただ問題は、本を読むことを宿題として強制することで、読書の面白味を子どもが感じられなくなる点にあるのでは」(ライター・澤田憲) ※AERA 2018年10月15日号より抜粋

学校で書き方を教えず、夏休みの課題

 教科書の中にも、読書感想文という単元はあるようだ。しかし、そこでは、課題図書の本の題名が種類別の載っている。しかし、読書感想文の書き方のようなものは、載せていない。つまり、学校では、読書感想文は、何をどのように書いていけば良いのかという文章の書き方は具体的に教えていない。これでは、アエラに書かれているように、子どもも親も悲鳴を上げているのが、本音であろう。
同じように、夏休みに課題として、新聞の記事を読んで、心に残った記事について「作文」にして書いてくるなどと言う課題も出ている学校もあるようだ。
 つまり、学校の授業で、文章の書き方について教えず、休み中の課題にだすのは、現場教師の怠慢以外の何ものでもない。私達は、この春「作文名人への道」中学年(3・4年生)向けの本を発行した。その中でも、読書感想の書き方を、具体的に書いた。私の所属する「豊島作文の会」に所属している富山悦子さんが、担当してくれた。その書き方を学んでいれば、誰でも楽しく書けるはずである。本来ならば、学校の授業でそういうことを、学び合い課題の読書感想文にすれば、子どもも保護者も悩まずにすむわけだ。
 今現場の先生方は、教科書を教えるので精一杯である。文章の基本である自分のした出来事を、思い出してできるだけていねいに書く「作文」をやらずにいきなり読書感想文となれば、子どもたちも書き方を知らないのだから、アエラで紹介したような文章で精一杯なのは、納得がいく。


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