子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

第7回 国分一太郎「教育」と「文学」研究会を終えて

第7回 国分一太郎「教育」と「文学」研究会を終えて

 生きていれば、100才になっていた国分一太郎さんは、1985年の2月12日に、75才の生涯を閉じた。国分さんのふるさと、山形県東根では、教え子さんたちが中心となって、その年の4月に「しのぶ会」を開いている。次の年の4月の第2日曜日に第1回「こぶし忌」を立ち上げている。第1回には、参加できなかったが、その後の開かれた「こぶし忌」には、全て参加している。はじめの頃は、教え子さんたちが、前の日の交流会から中心となって、我々宿泊者を歓迎してくれていた。
 次の日の本番の「こぶし忌」には、国分さんの勤めていた長瀞小学校の同僚の東海林隆さん(国分さんの先輩)もお元気で、毎年来て様々な形で国分さんのことを紹介してくださった。2人が、女性教師のおしろいの箱にチョークの粉をいたずらして入れた話など、おもしろおかしく話された。また、教え子さんたちが60歳から70歳前後を迎えた年齢だったので、まだ皆さんお元気であった。だから毎年教え子を代表して、当時の若き国分先生の思い出を語ってくれた。その教え子さんたちの国分先生を語る話は、まさに生活つづり方であった。どの方の話にも、国分先生の優しい人柄が語られ、胸にジーンと迫ってくる話であった。その企画や実務の仕事をされた山本源太郎さんが、「こぶし忌」を19回しきりながら、会から離れていってしまわれた。どんなことがあったのかは、私にはわからないが、本当に残念で仕方がない。最後のこぶし忌では、国分さんの思い出を語るときに、情熱を込めて話してくださった。今でも、私の胸に、そのときのお気持ちが伝わってくる。
 私も縁あって、「思い出を語る」という話を「こぶし忌」で話す機会に恵まれた。2003年の第17回目の会であった。その3年後?のことであった。「こぶし忌」も区切りがいいので、今後はやらなしという連絡が入った。そこで、急きょ立ち上げた会が、国分一太郎「教育」と「文学」研究会という会であった。こぶし忌を引き継ぐ形で、会が続行できてほっとしている。もちろんここまで続けることが出来たのは、地元の方々のご協力があってのことであることは言うまでもない。毎年宿泊者の希望は、東京の我々の仕事になっている。何人くらい集まるかが、いつの年でも心配の種だった。お世話になっている青松館には、あらかじめおおよその人数は予約しておくのだが、毎年その数が不安定なので心配をかけている。今年は、生誕100年の年なので例年の倍以上の数を考えていた。例年は、20~30人の幅であった。結果的には、58人の宿泊者が全国から参加していただいた。宿舎は、貸し切り状態であった。
 当日の大ホールでのイベントには、地元が中心の会だが、ホールを満杯にしたいというのが、願いだった。地元の人たちの心配は、我々以上の物だったに違いない。次の日の研究会も、会場を2つに分けて分科会を持つ予定になっていた。例年は、1つの会場で分科会が持たれていた。2つの分科会会場が、閑古鳥が鳴くようだったらどうしようと、ずっと気になっていた。結果的には、1日目も会場が満杯になり、2日目も2つの分科会ともぎっしり本当によかったと胸をなで下ろしながら、参加していた。
 さらに記念碑代として、最低100万円は集めたいと地元の人たちと相談していた。
 我々東京の研究会では、全国の関係者に呼びかけるので、最低30万円は集めるのが目標であった。そんな打ち合わせをしているあとに、あの東北大震災が起きてしまった。研究会そのものをやるかどうかについても、不安が残り、スタートが遅れてしまった。そのことが、後々まで響いた。しかし、やろうと決めてから、少しずつ記念碑代と年会費が集まるようになって来た。最終的には、100万円を超す金額が集まり、山形の地元に送ることが出来た。
 今回の成功をさらに来年に続けるためには、裾野を広げるきりない。ことに今回もそのことが成功したといえないものに、地元の教師の参加が少なかったことである。やはり、これからは、綴り方・作文教育を実践するものが、少しでも増えていくことである。そのためには、地元の教師に「作文教育このよきもの」を浸透していかなければならない。また。東京でも開いている国分一太郎「教育」と「文学」研究会を充実させていくことでもある。生誕100年記念集会を終え、ほっとするまもなく、今では11/19日(土)の秋の会の準備に入っている。3人の報告者は決まり、あとは案内状を作成して、全国の会員の人、並びに若い教師に送る準備をしている。なお、細かい内容を知りたい方は、わたくしのホームページ「えのさんの綴方日記」の国分一太郎「教育」と「文学」研究会を検索していただきたい。
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