子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

1月15日(木)作文教育が罪にされた時代

1月15日(木)作文教育が罪にされた時代

『獄中メモは問う』(佐竹直子著・北海道新聞社)を読み終えた。サブタイトルとして、ー作文教育がつみにされた時代ーとなっている。この本の著者佐竹直子さんの講演を昨年の6月に埼玉県の浦和で聞く機会に恵まれた。そのきっかけは、理論研究会の貝田久さんからの紹介の案内状を頂いたのがきっかけであった。その時のタイトルは、『生活綴り方弾圧事件を追って』~戦時下の北海道綴方事件~その実像と今日的意味~と興味をそそるものであった。豊島作文の会の例会にして、他の人達も一緒に参加した。会場に50人以上の人達が参加していた。その時に配られた資料に圧倒された。それは、北海道新聞の夕刊に2013年11月から連載された記事を全部の資料だった。最初の解説で、2つの説明が書かれている。

北海道綴方教育連盟事件とは

 1940(昭和15)年11月から翌年の4月に、日常生活をありのままに書く綴方教育に取り組んでいた道内の教員らが、「貧困などの課題を与えて児童に資本主義社会の矛盾を自覚させ、逮捕者は旧内務省『特高月報』による56人、旧文部省『思想情報』では75人。12人が起訴され、11人が執行猶予着き懲役刑が確定(1人は公判前に死亡)。のちに初代の民選札幌市長となる故高田富与弁護士が弁護人の努めた。旭川出身の作家、故三浦綾子さんの長編小説『銃口』の題材になった。

治安維持法 

「国体」の変革、私有財産制度の否認を目的とする結社や行動を処罰するために1925年(大正14)年に制定。当初は共産党や革命的労働・農民運動の取り締まりを目的としたが、適用範囲は拡大され、思想・信条や言論の自由を弾圧し、国民生活の監視に猛威を振るった。45年10月に廃止。旧司法省のまとめでは逮捕者は計7万5千人だが実際にはこの数倍から数十倍に上ると指摘されている、

推理小説まがいの展開

 釧路市内の元小学教員で、同連盟の中心メンバーとして逮捕された坂本亮さん(2007年に99才で死亡)が戦後住んでいた札幌市内の家の書類の書庫から31ページにわたり記されているメモが発見された。そのメモの中に「叩く。ける。座らせる。おどかす」などという文章が書かれている部分があった。いったい何のための文章なのかを色々調べていくと、拘留中刑務所内で、後半が始まるまでの1942年(昭和17)年6~12月ごろ、弁護人宛に書いたものであることが分かってきた。看守らの協力で検閲されずに外部へ持ち出されたようだ。

話の切り口は

 佐竹さんの話の中に、山形で最初に逮捕された村山俊太郞の話が出てきた。その後国分一太郎が捕まり、山形では2名の逮捕者が出ている。その時に逮捕されてから、取り調べを受ける過程は、「小学教師の有罪」(みすず書房1984年)に詳しい。国分さんが亡くなる前の年に出版されている。その本を、国分さんにサインをして、頂いた覚えがある。この2人を取り調べたのが、砂田周藏という特高である。若い頃は、山形で農民運動などを中心となって指揮していた者が、ある日突然変身して、今度は体制側の権力の手先となって2人を苦しめたのである。そのあたりのいきさつについては、小学教師の有罪の最初に「あのひとの死」に詳しく述べられている。この取り調べのしかたが、大変巧妙であったので、そのやり方が、全国に広がったという話の仕方であった。

2度目の講演を聴く

 昨年日本作文の会の全国大会が、北海道で開かれた。最初は、ちょっと遠いので、今年はやめようかと躊躇していたのだが、田中定幸さんに背中を押されて参加することにした。行き帰りの航空券と宿は、彼が取ってくれた。最終的には、横須賀作文の会のすてきな女性と日色さんも加えた4人で、行動をともにした。その時に、生活綴り方の歴史分科会で、佐竹さんが話されるというので、この分科会に参加することにした。同じ内容でも、もう一度聞きたかったのである。しかし、2ヶ月前に埼玉で聞いた話を、さらにバージョンアップして、また新しい話の展開で話をして下さった。その話の中で、さらに詳しく本にまとめているところですので、出来上がったらぜひ読んでいただきたいと強調されていた。

山形出身とは

 会が終わってから、山形で行われた国分一太郎「教育」と「文学」研究会の資料をお渡しした。その話の中で、どちらの出身ですかと尋ねると、山形の上山田に祖父母の墓があるとのことで驚いた。来年も研究会があるので、うまく日にちが取れそうでしたら、ぜひ研究会にいらっしゃってくださいとお願いしておいた。そんなこともあってか、今回私宛てに本が出来上がりましたので、ぜひ広めてほしいと言うことで、パンフレットが、10枚ほど入っていた。すぐに本屋に行き、5冊ほど注文してきた。北海道なので、少し時間がかかりますと、本屋に言われた。その本が、1週間ほど前に、手元に届いたので、一気に読み終えた。

さっそく広めた

東京作文協議会の例会があり、若い人がたくさん集まるので、そこにそのパンフを持参して参加した。福島から、藤田美智子さんが中学生の実践報告をして下さった。25人のメンバーの人に、この本のことも含めて、藤田さんの紹介をした。当日本を3冊ほど持参していった。1冊は、福島から見えた藤田さんに差し上げた。残りの2冊は、すぐに売れてしまった。そこで、再び本屋に行き、8冊ほど再注文してきた。

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