2月2日(月)ことばの力
2月2日(月)ことばの力
2名の邦人が殺されてしまった。その引き金になったのが、今年の15日から軍需産業の幹部を引き連れて、中東の国々に行き、17日のエジプトのカイロで次のように演説している。(「イスラム国」がもたらす脅威を少しでも食い止めるために2億ドル支援する)と、この地に数ある過激派組織の中でも、「イスラム国」だけを名指ししている。
難民の半分以上はトルコに
難民支援、人道支援と言うことで今回の中東を歴訪したのなら、300万人と言われている「シリアからの難民」の半分以上は、トルコに来ているという。それならば、今回の演説は、トルコの国に行ってすべきだったのである。
安倍首相の不用意な発言が引き金だ
しかも、訪問した国は、エジプト、パレスチナ、ヨルダンとすべてイスラエルに関係している国を選んでいるので、アメリカとイスラエルの仲間と意識されたに違いない。だから、その演説の3日後に、 突然、インターネット上の映像に黒ずくめの姿で現れたイスラム過激派組織「イスラム国」のメンバーとみられる男。安倍晋三首相に対して言い放った。「『イスラム国』と戦うために2億ドルを支払うというばかげた決定をした」その2億ドル(約236億円)をわれわれに払わなければ人質の日本人2人を殺害する。ユーチューブで動画発信された。
なぜ最初から「人道支援」と言わなかったのか
これに対して、安倍首相は、2億ドルは「避難民が命をつなぐための支援だ。必要な医療、食料、このサービスをしっかり提供していく」と反論した。そういう趣旨ならば、初めからそのように演説すれば良かったのである。防衛力整備や軍事技術交流に積極的な安倍政権の勢いが余ったのかもしれない。しかも、湯川さんは、昨年8月に拘束され、後藤さんの妻にも今年の11日に身代金を要求するメールが届いていたという。政府は、そのことを承知して中東に出かけたのである。
2名の邦人を人質にして、要求は次々に変わっていった。最後は、ヨルダンのに頼るしかなかった。
なぜ追求しないのか
しかし、これまでの動きを見ていると、最悪のしなりをで結末をむかえてしまった。この安倍首相の中東での演説から、すべてのことが始まったということはあまり話題にはしていない。国会の各党の動きを見ていると、大政翼賛会のように、そのことは触れていない。安倍首相の言う積極的平和主義とは、こういう事態になることをもっと積極的にマスコミも取り上げるべきだ。