子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

2013年度活動方針

2013年度活動方針

はじめに

 まずは、次の文章を読んでみてほしい。
【土門拳さんが撮った写真がある。座り込む人々の上を米軍の輸送機が超低空で飛び去ってゆく。米軍飛行場の拡張に反対する農民やデモ隊と警官隊が激しく衝突した砂川闘争を象徴する場面だ▼その地名が歴史に残るのは、東京都砂川町(現立川市)の米軍飛行場に侵入したとして、刑事特別法違反罪で起訴された七被告に東京地裁の伊達秋雄裁判長が一九五九年に無罪を言い渡したからだ▼「米軍の駐留は戦力の保持に当たり、憲法九条に違反する」。辞表を懐に入れ判決に臨んだ裁判長の覚悟に米政府も慌てたのだろう。公開された米側の秘密文書によると、マッカーサー駐日大使は藤山愛一郎外相に会って、高裁を飛び越えて上告するよう勧めたとされる▼機密指定された文書の開示が進むにつれて、戦後間もない司法の暗部が浮かび上がってきた。上告審の裁判長だった田中耕太郎最高裁長官が、公判の日程や見通しを駐日公使に漏らしていたという▼「世論を揺さぶりかねない少数意見を回避するやり方で評議が進むことを願っている」。15人の判事全員の一致で無罪判決を破棄する意向もにじませていた▼司法の独立を説く資格のないこの人物は、退官後に本紙に寄稿している。「独立を保障されている裁判所や裁判官は、政府や国会や与野党に気兼ねをする理由は全然ない」。厚顔とはこんな人のことを言う。】
2013年4月9日(木) 「筆洗」東京新聞より。
 田中耕太郎とは、どんな人物だろうと調べてみた。1890年(明治23年)に生まれ1974年(昭和49年)になくなっている。日本の法学者、法哲学者。東京帝国大学大学法学部長、第1次吉田内閣文部大臣、第2代最高裁判所長官、国際司法裁判所判事、日本学士院会員。文化勲章、勲一等旭日桐花大綬章を受章。大勲位菊花大綬章を没後叙勲
 私が小学生の高学年の頃に、砂川事件という闘争があったのを記憶にとめている。1955年から1957年にかけて、東京都北多摩郡砂川町(現在の立川市内)のアメリカ軍の立川基地拡張に対する反対運動をめぐる一連の事件である。
 亡くなって40年経ち、機密指定された文書の開示によって、こんなふうに明らかにされるとは、思ってもみなかったであろう。それにしても、戦争が終わり、10年経ち、日本の大事な裁判判決が、アメリカの意向に沿っていたとは、大変なことである。この事実を発見した人は、山梨学院の布川玲子元教授である。こういう人が学者の中の学者である。

日本は、完全に独立したのか?

 ある機関誌のコラムに次のような文章があった。
「日本を取り戻す」-このどこかで聞いたフレーズを、皆さん覚えておられますか。昨年の12月におこなわれた衆議院選挙での自民党のキャッチフレーズだ。わたしが疑問に思うのは、その取り戻そうとする日本の中に果たして沖縄は含まれているのだろうかということだ。
 それは、安倍首相が今年の4月28日を政府として「主権回復の日」と位置づけ、都内で祝賀式典を開くことを表明したことによる。

安倍総理の発言

 3月7日の衆院予算委員会で安倍首相は次のように述べている。
「主権を失っていた7年間の占領期間があったことを知らない若い世代が増えている。日本の独立を認識する節目の日だ」、「若い方々には、長い占領期間があったことを知らない人も増えている。60年前に独立したことをしっかりと認識する。わが国の未来を切り開く決意を確固たるものにするため、本年4月28日に政府主催の記念式典を実施する方向で検討している」。
 その国会での発言を受け、3月8日の毎日新聞に元那覇市長、瀬長亀次郎さん(故人)の次女、内村千尋さん(68)のコメントが紹介されていた。
「オスプレイの押し付けなどで本土から今も置き去りにされたままと思っている沖縄からすれば『4.28』を祝うという発想自体が理解できない」との困惑のコメントだ。沖縄県民の感情からすれば、この日は日本から切り離されたいわば「屈辱の日」である。
 2013年3月15日 コラムより
 このような出来事が、一部新聞で取り上げられているだけで、テレビなどはほとんど取り上げていない。
 それにしても、4月28日の明日、政府主催の「主権回復の日」が行われようとしている。沖縄の仲井眞知事は、この式典には欠席するという。しかし、副知事を代理にするそうだ。代理も出すなというのが、沖縄県民の感情であろう。

社会科の三権分立の良い学習課題

 前回の衆議院選挙が、違憲であると各地の地方裁判所で判決がされた。中には、広島高裁のように全国初の選挙無効判決も出てきている。最高裁判決も、裁定されるだろうが、砂川判決の時のように、見えないところで、最高裁判所の長官がと、憶測してしまう。三権分立とは、小学生の社会科の教科書にも出ているので、このような一連の出来事は、いい学習課題にもなる。

違憲で選ばれた国会議員が

 違憲で選ばれた国会議員が、憲法改正を簡単にできるように、96条を過半数でもできるようにと、画策している。日本国憲法は、立憲主義の精神で成り立っている。実際の国家統治が、権威ある憲法の規定を逸脱しないように監視し続ける。国民の基本的人権を脅かすものには、憲法の精神に照らして、監視する機能を持っている。だから、やたらに憲法を改正できないように作られているのである。
 尖閣列島の国有化で、日中関係が悪化している最中に、靖国神社の春の例大祭に国会議員168人が集団参拝し、さらに険悪な状況になってきている。靖国神社には、極東軍事裁判で、A級戦犯で、東條英機以下14人が絞首刑された人物を、1978年に合祀された。戦争を起こした責任者を、処罰したのに、その人物を合祀したことが問題になっている。それよりも、靖国神社の果たした役割は、侵略戦争の精神的支柱として大きな役割を演じた。だからこそ、中国・韓国は、敏感な反応をするのである。被害者が敏感な反応するのは当たり前のことだ。
「国のために命を落とした英霊に尊崇の念を表するのは当たり前だ。わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない。その自由を確保している」と、安倍総理は、予算委員会で的外れな考えを述べている。この人の歴史認識は、この程度なのかと、悲しくなる。もっとも安倍総理の祖父岸信介は、A級戦犯で、逮捕され、巣鴨刑務所に服役していた。極東裁判で死刑執行された次の日に、彼は公職追放で釈放され、やがて総理大臣にまでなっている。それが、朝鮮戦争によって、日本の再軍備が米国の後押しでなされ、警察予備隊・保安隊・自衛隊と今に至っている。

東京の教育現場は

 民主的な職場というものが、東京にどれだけ残っているのだろうか。皆無と言っていいだろう。その大きな要因は、校長権限が強まり、勤務評定が、定着しつつあることだろう。主幹制度・主任制度が実施され、職場は、完全に5段階(校長・副校長・主幹・主任・一般職教諭)に差別化された。給料表も違うので、一般職教諭を貫くことは、大変な厳しさである。職員会議は、上意下達に徹底し、異議を唱える教師は、ほとんどいないという。 
 次の文章は、日教組の教育研究集会(2011.1月)で神野直彦さんが、記念講演をしたときの一説だ。
「私が歩いてきて人生の中で、『真実』だと思われることが一つだけあります。わたしたちは、時代の大転換期に来ておりますが、その時に、人間が圧倒的力を発揮しなければなりません。その時は、人間がお互いに疑いあっているときではなく、お互いが信じ合っているときであり、憎しみあっているときでなく、お互いが愛し合っているときに、大きな力となると言うことを、私の人生の中で知りえた真実です。」このようなあいさつをしながら、『新自由主義』の流れを歴史的に語ってくれた。
 講演の最後に、スウェーデンの中学2年生の教科書に載っている詩を、読んで締めくくった。スウェーデンでは、絶対教えると言うことはしない。どれが正しいかと言うことは、教師もわからない。考えさせるように編集されている。

子ども  ドロシー・ロー・ノルト

 批判ばかりされた 子どもは/非難することを おぼえる
 殴られて大きくなった 子どもは/力にたよることを おぼえる
 笑いものにされた 子どもは/ものを言わずにいることを おぼえる
 皮肉にされされた 子どもは/ 鈍い良心の もちぬしとなる
 しかし、激励を受けた 子どもは/ 自信を おぼえる
 寛容にであった 子どもは/  忍耐を おぼえる
 賞賛をうけた 子どもは/ 評価することを おぼえる
 フェアプレーを経験した 子どもは/ 公正を おぼえる
 友情を知る 子どもは/  親切を おぼえる
 安心を経験した 子どもは/  信頼を おぼえる
 可愛がられ 抱きしめられた 子どもは
 世界中の愛情を 感じとることを おぼえる

文章を表現することは、今こそ大切に。

 教科書から、生活作文が消えて、ありもしない想像作文や報告文・意見文が主流である。日常の生活の中で起きる出来事に、一喜一憂した事実を丹念に思い出して書く表現を抜きにして、高学年でいきなり意見文などを書かせる単元になっている。書く喜びを体験しないで、いきなり概念的な文章を書くようになっている。『作文嫌い』になる子が増えるばかりである。
 やはり私たちは、「ある日型作文」と「いつも型作文」を大切にしながら、高学年になったら、どこにでも通用する説得力のある「意見文」や「小論文」をやがては、書ける子にさせたい。

 豊島作文の会は、今年度も今まで以上に、下記の目標を大切にして歩いていく。
1.目標
*子供たちが、自然や人間や社会に自ら積極的に関わり、現実をしっかりとらえることができるようにします。
*こどもたちが自分の表現したいことを、正しく豊かな日本語を使って、書き表すことが出来るようにします。
2.具体目標
(1)誰もが、何でも言い合えるクラスの一員として、自覚できるクラスを目指します。(学級集団作り)
(2)こどもたちが、生活の中から、値打ちある題材を選び出す力をつけます。(題材論)
(3)日記指導を大切にしながら、生活のしぶり、書きぶりの良さを赤ペンで認めながら、書く意欲を伸ばしていきます。(自主的作文 指導)
(4)指導題目を学期に1回程度は立てて、「指導過程」を大切にしながら、「ひとまとまりの文章」を綴らせます。(意図的・計画的 作文指導)
(5)「ある日型」の1回限りの出来事を、ていねいに書かせます。
同時に、高学年は、「いつも型」のたび重なる出来事を説明するよ うな文章に挑戦させます。
(6)詩を書かせることを大切にしながら、その実践を提案します。
(7)作品研究をし、値打ちある作品を読みあいます。「日本児童・生徒子ども年刊文詩集」「東京の子」
(8)作文教育の指導理論を学習していきます。「作文と教育」な ど。
(9)全国大会や東京大会や国分一太郎研究会(山形と東京)に積極的に参加していきます。本年度は、日本作文の会の全国大会が埼玉・東京で行われます。新しい会員を増やすチャンスでもあるので、力を入れます。
(10 )若い人が、職場に増えてきているので、作文教育の大切さを訴えていきます。この会にも、積極的に誘うようにします。
 2013年度 豊島作文の会 活動計画 定例の会を基本的には、第( )土曜日。土曜授業開始の区は、第3土曜日が多いのではなか。
 現役の人が参加しやすいのは、金曜日ということも年に何回か設定してもいいのかとも考えている。

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional