子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

3月20日(月)歴史に残るような大事件

3月20日(月)歴史に残るような大事件

東京都墨田区立立花小学校 六年 田中 日香里

 九月十一日の夜の十時頃、とてもすごい事件があったようです。でも、私は何も知らず、班日記を書いていました。次の日の朝、テレビを見ていると、どこも一緒のことをやっていました。
え、すごい!
「何これー?」
と私が母に言うと、
「何かアメリカの貿易センタービルに飛行機 が突っ込んだよ。夜やってたんだけど、一 機が突っ込んだ後に、もう一機突っ込んで、それテレビでやってたんだよ。」
と言い、テレビのチャンネルを次々と回していきました。
(すごい、本当にどこのテレビもこのことば かりだよ。)
そう思っていると、
「ほら、見ててみな。」
と母が言い、テレビに目を向けると、二つの高いビルの一つが燃えていて、
(あっ飛行機が来た。)
と思ったら、ドーンと高いビルの燃えてない方にぶつかっていきました。
「もう一機、ぶつかりました。大変なことに なっています。」
と現場にいたアナウンサーの声も、びっくりという感じです。
「これだよ。」
と母が言いました。
(うっわー、何これ。戦争じゃないの。)
と思いました。
「すごいねえ。」
と私が言うと、
「この突っ込んだ飛行機もアメリカの空港で ハイジャックされたんだって。」
と母は言いました。私は、
(たぶんそうだ。)
と思い、玄関にいつもおいてある新聞を取りに行きました。
「やっぱり。」
と私は言いました。うちでは読売新聞を取っています。その表紙には大きい字で、
「米の中枢ねらい同じテロ。」
と書いてありました。
(うわあ。テロか。死者数千人だって。何で こんなことが起きているの?)
と思いました。新聞を見ていると、「世界貿易センタービルのツイン・タワー」と言うのが目に入りました。そこで私は、ビルの名前を知ったのです。又テレビを見ると、突っ込んで燃えている映像が流れていて、そこに写っている煙は、灰色なんかじゃなく、本当に真っ黒でした。
「まだ良くわかってないけど計画した人達は、 イスラム教の人じゃないか、とか言ってい るみたい。」、
と母は言いました。
(へえ~。何でこんなことしたのかな。何に も理由なしでこんなことするはずないし。 アメリカを憎んでいる国がやったのかな  あ。)
と私は思いました。

社会の時間でわかったこと

 その日の二時間目は社会です。私は机の上に、教科書と資料集、社会のノート、筆箱をおいておきました。チャイムがなり授業が始まると、先生は、やっぱりあのことを話しました。テロ事件のことです。黒板には、大きな世界地図がフックにかけてあり、一メートル定規を手に持っています。そしてそれを地図に当て、
「ここがニューヨークですね。」
と言い話し始めました。アメリカは色んな国に散らばったユダヤ人を集めて、一つの国を作るためにアラブの国の人をどかし『イスラエル』という国にしました。
「その場所が宗教の一番大事な場所だったんですね。」
と先生はいいました。
(そんなことがあったのか。アメリカはすごいことしたんだ。)
と私は思いました。
「でも、小泉さんはあの事件があってすぐアメリカに電話をして、アメリカに協力すると言いました。が、あれはとっても危ないことです。もし、戦争が起きたら、間違いなく日本は巻き込まれるでしょう。これからドンドン景気が悪くなると、戦争が起きます。」
と先生はいいました。
(えっ。戦争起きちゃうの。起きたらすごい大変じゃん。)
と思いました。そして少しこわくなってきました。もし戦争なんか起きたら、今のような生活も出来なくなるのです。学校から帰ると、家には母がいました。
「あのねえ。今日、社会の時間に榎本先生がテロのこと話したのね。それで先生ねえ、小泉さんがすぐにアメリカに協力するって 言ったのは、危ないって言ってたよ。」
私が母に言うと、
「あそう、私もそう思ったよ。」
と、母は先生と一緒でした。
(小泉さんは、そんなことしていいと思っているのかな。)
と私は思いました。
いくら何でも
 テロの事件から一週間たった今、アメリカのブッシュ大統領は、
「世界で一番強い我が国へのひきょうな仕打ちに対して、必ず罪をつぐなってもらう。」
と言っています。私はこの言葉に、
(何で自分を世界で一番強い国なんて、自分で言っているの。今そんなの関係ないじゃん。しかも、ブッシュさんは、戦争になっても命令を出したりするだけで戦わない。戦争にかり出される人が一番苦しむ。無傷で争うなんて無理な話じゃないか。いくら国民が戦争をやっても良いといってもいけないことはいけないんだから。)
と思いました。確かにテロ事件は、アメリカだけではなく世界の国々で最悪の事件です。だからといって戦争を起こそうとしないでほしいです。一つの戦争が起きると、絶対他の国々も巻き込まれます。アメリカの私たちと同じくらいの年の子供達だって、巻き込まれるのです。戦争で得るものは「自分の国の方が強いんだ」と言う気持ちではなく、「戦争なんかやらなきゃ良かった。」と言う気持ちだと思います。やったら絶対に後悔します。自分の国がもし勝ったって、そのためになくなった人が大勢いるのです。やったらやり返す、何てバカなこと早めてほしい。九月作

2人の教師

 この間のクラス会で、2人が東京都の教師になっていると聞きビックリした。田中さんは、都立高校の英語の教師になっている。小学校の時に書いたこの文章は、なかなか簡単にはかけない。こういう文章を、他の子どもたちも、結構かいてきてくれたものだった。この時期にみんなが、「ひとまとまりの文章」を書くために、切磋琢磨していたのである。

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