子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

3月21日(火)車は大変

3月21日(火)車は大変   羽田 恭平

  5月の10日ごろ、五時位に遊びから帰って来ると父と母がいました。ぼくは、
「ただいまー。」
と、言いました。父が、
「車庫入れに行くけど、来て手伝ってくれない。」
と、言いながら父は、車のキーをポケットに入れていました。ぼくは、
(次の日、休みだから宿題は、明日やればいいや。)
と、思いました。ぼくは、
「うん。行く。」
と、言いました。くつをはき階段で下りて、一階まで下りました。すぐそこに車がありました。父は、
「練習にちょうどいいんだ。」
と、言いながら、車のドアを開けました。ぼくは、後ろの席に座りシートベルトをしめました。この車は、祖父(母の方)が使っていました。けど、きょ年の十二月に亡くなったので、ゆずってもらったのです。この車は祖父に色々つれて行ってもらった思い出もあるのです。父が運転しだしました。第一あづま小学校を左折した所に、ちゅう車場に着きました。父は、車を止めて、
「ここ十五年間運転してないからなぁ。」
と、言いました。ぼくは、その言葉を聞いて、
(大丈ぶかな。)
と、不安になってきました。父は、機械に暗しょう番号みたいに三ケタの数字を押しました。
「ウィィン、ギッ。」
と、車を乗せるちゅう車台が四階から下りて来ました。一分間位たつと止まりました。父が、
「車が当たらないように下りて見てて。」
と、言いました。ぼくは、
「オッケー。」
と、言って車から出ました。父は、車をゆっくりバックさせながら少しずつ入れて来ました。ぼくは、
「少し当たっちゃう。もう一回バックして。」
と、ゆう道しました。ぼくは、
(まるで、ガソリンスタンドで、働いてるみたいだ。)
と、思いました。次は、かべに当たらないか見ていました。ぼくは、
「オッケー。」
と、言いました。父は、
「今度は、他の車に当たらないか見ていて。」
と、言いました。ぼくは、目線を他の車の方に向けました。父は、バックしながら入れようとしました。ぼくは、
「だめ、当たっちゃう。」
と、言いました。このくり返しが何度も何度も続きました。父は、
「どうやって入れたらいいのかな。」
と、困りはてて言いました。ぼくは、
(入れられるのかなぁ。)
と、心配になってきました。すると、近くのちゅう車場で、始めからバックで入れていました。それを見て、父は、同じやり方でやりました。ちゅう車場を出て、後ろ向きになってそのままバックしながら入れました。けっこう楽に入れられました。ぼくは、
「始めからこのやり方でやればよかったね。」
と、言いました。ぼくは、
(まっ少し片よってるけど、いいよな。)
と、思いました。そして、家に帰り時計を見てみると二十分位かかったことに気づきました。
 この日から二日後は、母の日でした。兄とぼくは、自転車でオリンピックに行きました。入ると、母の日のカーネーションがあり人もいっぱい来ていました。二階で日がさを買いました。兄は、どこかへ行ってしまいました。 ぼくは、先に帰りました。二号とうの所で、父に会いました。父は、
「おばあちゃんとお母さんお墓に車でむかえに行くんだけど、一緒に行く。」
と、聞きました。ぼくは、
「うん。」
と、いせいよく答えました。前に行ったちゅう車場まで、自転車で行ってそれから車で亀戸のお墓に行きました。祖父のおせがきで、祖母が来ているのです。お墓に着くと母と祖母が待っていました。母が
「ちょっとおそかったよ。」
と、言いました。あっちこっちドライブしました。デニーズで食べることにしました。祖母が、
「純ちゃんどうしてるのかしら。」
と、言いました。ぼくは、
(そういえば。わすれてた。)
と、思いました。母は、
「お腹すいてると思うし呼ぶか。」
と、言って黒いバックからピッチを取り出し家に電話しました。
「美子ですけど、今デニーズにいるんだけど、来る。」
と、言いました。ぼくは、
(多分来るな。)
と、思いました。母は、
「来るって。」
と、言いました。ぼくは、
(やっぱしな。)
と、思いました。四分位たつと兄が来ました。家族五人そろってから注文しました。母は、グラスでビールを飲んでいました。父は、飲みたそうな顔をしていました。しかしこの後に運転しなければいけないので、お酒は、飲めません。ぼくは、
(運転するのも楽じゃないなー。)
と、大変さを知りました。
 次は、今度引っこしするマンションの建設を見に行くことにしました。右折しようとしたけど、出来ませんでした。やむをえず遠回りしました。ぼくは、
(歩きだと曲がれるけど、車だと無理なんだ。むずかしいんだなぁー。)
と、思いました。建設現場を見ました。祖母が、
「けっこーすすんでるねー。」
と、言いました。来年の三月から住めるようになるのです。一号とうに着きました。ぼくと父は、残り車の掃除をすることになりました。始めは、わたぼこりを二人でとりました。次は、父がワイパーをかけて、布きれでふきました。ぼくは、
「ピカピカになったね。」
と、言いました。父は、
「うん。ありがとう。助かった。」
と、言いました。八分位かかりました。ぼくは、
(けっこう掃除も大変なんだなぁ。)
と、思いました。父が、
「ちゅう車しに行くから着いて来て。」
と、言ったのでついて行くことにしました。

今度はうまくできるかな

 前に行ったちゅう車場に着きました。父は暗しょう番号を押しました。
「ウィィン、ガッキ。」
と、車庫台が四階から下まで下りて来ました。
 とうとう車庫入れです。ぼくは、
(この前のやり方で、やれば十分以内で出来ればいいんだけど。)
と、思いました。この前みたいにちゅう車場から出て、向きを百八十度かえて、後ろ向きのまま入れました。ぼくは、入れる所を見て
「まっすぐ入ってるよ。」
と、言いました。父は、車から下りて、
「よしっ。」
と、言いました。ぼくは、
「まあまあうまくなったじゃん。」
と、言いました。父は、
「ふー。」
と、言いました。ぼくは、
(おじいちゃん位、うまくなってくれるといいんだけどな。)
と、思いました。二人で家まで、帰りました。

やっぱし大人はビール

 家に着くと父は、ビールを飲んでいました。ぼくは、
(やっぱり、運転する前はお酒飲んじゃいけなかったから、そうとうがまんしてたんだなぁ。)
と、思いました。

何気ない日常生活を切り取る

 ここに出てくる人たちの姿を、日常の何気ない一コマを、しっかりとらえています。今回、ここに出てくるお父様が亡くなられたと聞いて、ビックリしました。たしか、家庭訪問をしたときは、お父様と2人で、話し合った記憶があります。小学生の時から、いつもはきはきと発言する姿は、今回も変わりませんでしたね。

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