子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

12月10日(日)陸軍登戸研究所

12月10日(日)陸軍登戸研究所

 私の友人の鈴木健治さんは、様々のことに関心を示す。そのことが、大切であると考えると、徹底的に調べ尽くす。今回紹介された映画のことは、少しばかりの知識はあったが、映画を見ることによって、その実態が、余りにもすさまじい事実で、どきどきしながらその映画を見ていた。その映画の題名は、「陸軍登戸研究所」(監督楠山忠之)である。2012年に完成し、中野のポロポロ映画館などで上映されている。今回は、楠山さんの住んでいる北区の地域の住民が、企画したものである。鈴木さんは、東京で最初に勤務したところが、楠山さん達が住んでおられた北区浮間小学校である。その頃から交流があったので、鈴木さんにとっては、親しい間柄である。
 映画が始まると、そこの登戸研究所とは、どんな場所であったのかが、見てすぐわかるように、どんなことを研究してきたのかを、映像を見てすぐにイメージできた。
 風船爆弾、人体実験、暗殺用毒物研究、生物兵器、偽札作り、戦争に勝つためにあらゆることを考えていた研究機関である。しかし、日本が戦争に負けたときに、これらのことはすべて証拠を残さないように、爆破したり、焼却したりして、戦後我々の目から証拠として残さないように、当時の政府が指示したようである。政府と言うより、登戸研究所に勤めていた上層部の人たちによって、証拠隠滅が行われたのである。また、関係していた職員達には、戦後箝口令(かんこうれい)のように、秘密を守るように指示したのである。したがって、戦後すぐには、明らかにならないまま過ぎていった。森村誠一さんによって、中国人捕虜を人体実験したことが、明らかにされた。それは、中国大陸での出来事である。
 『悪魔の飽食』(あくまのほうしょく)は、小説家の森村誠一が下里正樹との共同取材に基づいて、関東軍731部隊が行った人体実験の実態を明らかにしたフィクション作品である。旧満州国で関東軍731部隊が行っていたという人体実験の実態を詳しく描いたとして、話題を呼んだ。当時、私もその事実を初めて知り、戦争とは恐ろしいことだと教えられた。
 今度のドキュメンタリー映画は、35人の証言者からの聞き取りで出来上がっている作品である。すべて、事実を語っているわけだから、すさまじい。語っている人は、90歳前後の人たちばかりである。だから、この映画を作るのに、6~7年かかっているので、映画が完成したときには、亡くなっている人も何人かいる。その中で、この映画の大事な役割をしている、伴和子さんと言う方が登場する。その方のご主人の伴繁雄さんは、なくなる前に「陸軍登戸研究所」自伝的告白書を書いて亡くなっている。その奥さんの和子さんは、生存中は、どんな仕事をしていたのかは、一切わからなかったがその本を読むことによって、戦争中に殺人の仕方を研究するところで、中心的な役割をしていたことを知る。夫の遺言のように書いた事実を知り、この映画作成に対して、金銭的にも、かなりの協力してくれたようだ。

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