子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

3月23日(水)3年生の人へのメッセージ

3月23日(水)3年生の人へのメッセージ

文章を書く子は、かしこくなる

 たった一年間だったけど、みなさんといっしょに一週間に一度「作文」の勉強ができました。金曜日の一時間目か二時間目は、いつも楽しく作文を聞いてくれたり、書いたりしてきました。また、日記帳を買い、それに心に残る出来事を書いて、五十嵐先生に出してくれました。ぼくも、時々、その日記帳を読ませてもらい,五十嵐先生といっしょに赤ペンをいれさせてもらいました。みんな、さいしょはなやんでいましたが、だんだんなれてくると、ぐいぐい書いてくる子が出てきました。文章を書くやくそくを、さいしょにおぼえてもらいました。
 生き生きとした文章(日記)を書くためのキーポイント
(1)身のまわりの出来事で、心が動いたこと(ある日のこと)をえらぶ。
(2)したことの順によく思い出して「・・でした。」「・・・した。」と書く。
(3)いつ、どこで、だれが、何をしたのかがはっきりわかる文章にする。
(4)そのとき、自分が話したり、相手が話したりしたコトバは「  。」を使って文  にする。
(5)そのとき、思ったり考えたりしたことは、(・・・。)を使って文にする。
(6)ものの形や色、大きさ、手ざわり、においなど五感(官)を働かせたことをよ  く思い出して書く。
(7)そのときの自分のうごきや、周りの様子も書くようにする。
(8)自分がわかっていることでも、読む人が分かるように説明も入れて書く。
 この八つのことは、何年生になっても、文章を書く基本です。みなさんは、これをもとに、生き生きとする文章を書くようになりました。この八つは、「書きぶり」という言葉でまとめました。書きぶりのいい作品を読むと、ていねいに思い出して書いていました。この思い出しがしっかりできるのは、なぜなのでしょうか。それは、「五官(五感)」が、生き生きとその時、働いていたから、思い出しもできたのです。五官とは、目(視力)耳(聴力)鼻(臭器)舌(味器)皮ふ(触器)の五つの器官を指します。
 ところが、この頃の子どもは、この思い出しがめんどくさくて、なかなかしっかり思い出せない子が増えてきました。人間が他の動物とちがうのは、思い出しができ、そこから,喜怒哀楽(喜び・怒り・哀しみ・楽しみ)を再現し、もう一度再発見をし、値打ちあることを見つけることができるのです。つまり、のうみそのしわを、増やしかしこくなれるのです。
 これからは、文章を書くことが多くなります。小学生のうちに、このことを続けていくと、中学や高校や大学の時に、まちがいなく役立ちます。みなさんとは、たった一年間でしたが、とても印象に残る学年でした。五十嵐先生は、ぼくと同じ大学のせんぱいとこうはいです。だから、なおさら親しみがありました。五十嵐先生も書いていますが、「ゆうじくん」と言う子が、いっしょにいたことも絶対忘れないでください。
 ぼくは、この三月で、四十二年間の教員生活を終えます。書くという勉強があったら、ぼくのことを思い出してくれたら、嬉しいです。二年間、たくさんの宝物の作品を書いてくれてありがとうございました。ホームページ「えのさんの綴方日記」を、時々けんさくしてくれると、嬉しいです。そこにこれからも、文章を書いていきます。

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional