子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

4月2日(火)『U・N様』

4月2日(火)『U・N様』

 この度は、私説「戦後情念史」のご本を贈っていただきありがとうございました。
 P99のところで、「教師の友」のことが書かれていました。「1958年の勤評闘争のことを東京の活動化が座談会をする云々・・」「その雑誌はもう手元にないし・・」のところです。
 ついこの間、作文教師の先輩のいえに、本の整理を手伝いに行ったときに、何冊かの本をいただきました。その中に、「教師の友」の1958年度版を一冊にまとめた本をいただいてまいりました。ページをめくってみていくと、Uさんの名前が出てきて、その座談会のことを斜め読みしていたのでした。そのあとに、このことに触れた部分を読みながら、コピーをして差し上げようと考えたのでした。
 しかしながら、一年間のものを一冊にまとめてある、大変分厚い本だったので、コピーをすると、閉じている真ん中がごらんのようにうまく写りません。そこで、見えない部分は、閉じたプリントのようにしました。どうぞ何かの参考にしてください。
 今回の本は、1946年に自殺した原口銃三が書き残した「20才のエチュード」などは、全く知らない世界でした。その当時の年齢の人に、この話を聞くと、その方もきちんと覚えておりました。やはり、当時は、大きな事件だったのですね。その生き方に、共鳴していたUさんの自殺願望の情念への解毒剤になった太宰治の死は、やはり衝撃でした。
 また、早稲田の大隈講堂での武井昭夫の演説を聞き、弁舌のとりこにされてしまったという部分は、はじめて知るところでした。私が、豊島の執行委員になって、都教組大会の総括討論をしているUさんの演説に惚れ込んで、異動するなら墨田だというのと同じかなと勝手に解釈しています。
 また、高田馬場の飲み屋でであった女性との色恋沙汰の部分も、心に残る部分でした。
 中学校の教師の職を得た頃の二つの詩「春雪」「夜ふけの電車」は、暗い混沌とした時代に生きようとして模索していた内田さんの姿が重なりました。ことに「春雪」の「足跡は北へつづいた」の「北」は、国分一太郎の「北に向かいし枝なりき」と同じ寓意であるの部分を読み、震えました。
 国分さんのご子息のSさんとは、三ヶ月に一度会う中です。早速この部分のことも含めて、この本を紹介するつもりです。若い頃(写真で見る)の国分先生にそっくりな方です。
 それと、私が小梅小に勤めていたときに、新年の賀詞交換会の時に、区議会議員が二名呼ばれて来ておりました。自民党と共産党の方でした。関さんは、共産党の区議会議員でした。なぜ、二名だけが呼ばれているのか、不思議でした。やがて、小梅小の職員で、レッドパージにあった先生と聞き、保守的な地域でしたが、慕われていた先生なんだなと感じておりました。墨田が、一番処分者が多いと聞き、その中でも小梅小は活動家がかなりいたとあとで知りました。国分さんも、共産党に席があった頃、小梅小には、いったことがあると、直接伺いました。
 関さんという女性がおり、日本標準の教材の販売員をされている方がおられました。この方は、関さんと関係ある方なのかなと思いましたが、確かめる機会を失いました。広渡常敏の東京演劇アンサンブルの劇団員をされておりました。一度、国分さんが亡くなる少し前に書いた「小学教師の有罪」(みすず書房)という本をお貸ししたら、感動されて広渡さんが劇化してくれました。すでに国分さんは、亡くなられたあとだったので、山形から国分さんの弟の正三郎さんや鶴見和子さんなどが、観劇にきておりました。
 このように、この本は、いたるところで、立ち止まって考えさせてくれました。そのほか、共産党の今にいたるまでの足跡のいくつかの部分については、私も関わったところも後半はあり、頷きながら読みました。今や、残念ながら墨田教組も含めて組合はなきに等しい状態になりつつあります。勤務評定は査定の名で完全に行われつつあります。今年のボーナスから、査定が始まります。四割のものが、今までより増え、六割のものが減るということです。その金は、職場で働いているもののボーナスで減ったり増えたりするそうです。つまり、仲間のボーナスの金を取ったりとられたりする仕組みです。 
 校長権限は、ますます強まっております。このようにした一番の原因は、日教組を分裂させた共産党支配の教組です。その怨念が、あらためて、伝わってきました。まだ、ていねいに読み切っておりません。雑ぱくな感想で、失礼しました。
 どうぞお体に気をつけられて、もう少し長生きしてください。

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional