子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

7月25日(木) 第15回国分一太郎「教育」と「文学」研究会を終えて

7月25日(木) 第15回国分一太郎「教育」と「文学」研究会を終えて

乙部 武志様
 第15回国分一太郎「教育」と「文学」研究会無事終わりました。会場は、「東の杜資料館」を新しく改装し、ホールも冷房付きのきれいな会場のなかで開くことが出来た。今年は、山形放送が2月に流した「想画と綴方」の反響が大きく、様々なところで話題になっているようだ。第33回民教協スペシャルで、最優秀賞を取った作品だけに、内容も大きなものがあった。今まで地元が積み重ねた力が、大きく飛躍した感じだ。
 その1つの例として、岩手県の「新しい絵の会」のメンバーが4人も参加し、そのうち2名の方が報告してくれた。岩間政信さんは、まだ現役の方で、ご自分が実践してきた図画教育の具体的作品を紹介しながら、子どもたちが取り組んできた版画教育の一端を紹介してくれた。そこにあらわれた子どもたちの表現した作品は、生活に根ざした生き生きとした作品だった。それは、戦前行われた想画教育の作品と相通じるところがあった。
 もう一人の方は、岩手大学を退職された種倉紀昭さんが、山形放送「想画と綴り方」を見てと言う報告だった。大学では、美術教育の専門だった方で、放映された装画のなかで、特に印象に残った作品の分析は、大変細かいことにまで触れた感想が書かれていて、こちらが教えられることがたくさんあった。
 第1日目が終わり、恒例の墓参りに行く予定であったが雨が降り出し、急きょ延期になった。そのまま宿舎に行き、夜の交流会へ。今年の宿泊者は、昨年の21人より6人増えて、27人の宿泊者で、大変賑やかに行われた。司会は、いつもの工藤さんと小山さんで進行してくれた。最初に、昨年までこの会に参加してくれた那須備述さんのご冥福を祈り全員で黙祷した。その後は、墓の前で読む予定になっていた国分さんに関係のある文章を読んだ。今年は、昭和32年頃に書かれた家族日記が読まれた。それは、国分さんと奥様の久枝さん、長女のミチコさんと真一さんの4人が、書いた日記の紹介だった。あの忙しい国分さんが、家族に呼びかけて始めた家族日記であり、3年間くらい続いた日記の一部分の紹介だった。読みは、左川紀子さんがした。
 乾杯の音頭は、岩手大の種倉紀昭さんがして下さった。大変ユーモアのある方で、楽しくお話をされてから、乾杯の音頭をとってくれた。
 第2日目は、墓参りを会場に行く前に行くことになった。雨もやんで、足元もすべらず、かえって良かった。宿泊されたほとんどの方が、参加してくれた。例年こぶしの木が大きくなり、うっそうとしていたが、今年はプロの植木屋さんがきれいにしてくれた。国分恵太さんから、この墓の由来からご先祖の話まで丁寧に話して下さった。国分さんから数えて、5代くらい前の方が、この場所に墓を作ったそうだ。江戸時代の終わりの頃のことである。全員で順番にお線香を上げ、会場の東根職業訓練センターに向かった。
報告① 国分一太郎の資料を収集して  日色章(綴方理論研究会)
報告② 国分一太郎と童謡 片桐弘子・田中定幸(綴方理論研究会)
報告③ 『地下水』の子どもたち
藤田美智子・藤田誠也(福島作文の会)」
 午前中は、この3つの報告で終わる。午後は、「生活主義の国語教育」・再生と創造
 田近洵一(学芸大学名誉教授)の話は、綴り方教育の大事さが強く訴えられた。
 会が終わり、恒例の国分さんの実家により、田舎のうまいものをたくさんごちそうになり、5時すぎの湯船沢温泉から車が迎えに来てくれた。そのまま、30分くらい車に乗り、宿舎に到着。その晩は、食べきれないほどのごちそうを囲んで、みんなで交流を深めた。一緒に参加してくれた、田近洵一さんは、良く飲み、よく食べ、よく語って下さった。夜の12時近くまで、喋りあって下さった。
 終わりに、
「戦後教育実践、開拓者達の声を聴く」を読み終えました。3人の方(田中定幸さん、工藤哲さん、左川紀子さん)にもお渡ししました。
 改めてこの本をよみながら、自分たちが現役で実践できたのは、一番民間教育が華やかに実践できた時代に、自分もいたんだと言うことを教えられました。村田榮一さんの学級通信ガリバー」を読み、自分もこんな学級通信を作ってみようと、真似をして始めた。伊那小の総合学習の実践を見学した人から話を聞き、大きな刺激を受けたものでした。無着成恭さんの「山びこ学校」は、作文教育を始めた頃読み、大いに刺激を受けたものでした。乙部さんの書かれた「綴方運動の目指したもの」は、理論研究会で紹介して下さったことが、ていねいに書かれており、今までを振り返ることができました。
 ことに、P130のところで、板東孝訓君が書いた「浅間山の火山灰」のところに来て、ものごとを捉えるときに、一面的でなく多面的に捉えることの大事さに触れた部分を読み、ビックリしながら読みました。取り上げて下さり感謝します。
 なお、この本は、あまりたくさんないのですね。理論研究会の他の人も読みたかったに違いないですけど、買わないとないんですね。
 以上、とりとめもなく書きました。色々ありがとうございました。
2019年7月25日(木) 榎 本  豊

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