子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

7月6日(土) 藤田美智子さんから本が

7月6日(土) 藤田美智子さんから本が

 福島の藤田美智子さんから、本が送られてきた。初めて出された今までの歌を集めたものである。この方の作文教育は、天下一品である。何回か実践報告を聞いているが、いつもうなってしまうすてきな実践である。1ヶ月以上前に送られてきたのだが、すぐに返事をせず、今に至ってしまった。次のような御礼のお手紙を書いた。

『徒長枝』という短歌集のご本、送って下さりありがとうございます。すぐにお返事せず失礼いたしました。きちんと読んでからと思いながら、今になってしまいました。
 短歌については、それほど鑑賞できる力はありませんが、ずっと読んでいて、どの歌もそのときの情景がそれなりに、私のような者にまで、伝わってくるものが多かった気がします。新聞の歌壇など、時々目をやりますが、なかなかストンと入ってきません。しかしながら、美智子さんの歌は、どの歌も、わかりやすい歌が多かった気がします。
 印象に残った歌を、並べてみます。
★手も足もやわらかくなりて眠る子にゆふベ閉じる花を思ヘリ

★われよりも肩幅広き生徒らに問はれて語るとほき日の恋

★咳止まぬ子と子守りいる部屋の窓ぬぐえば降りくる雪の速さよ

★超人にも怪獣にもなる自在さをもつ子とひとつ布団に眠る

★芽吹きゆく木木に力を分かちいむ色淡く咲く山桜花

★もう管を外してくださいという母に父は静かにうなづきにけり

★クイズ解くごとき名もあり四月より受け持つ子らの名簿を作る

★理解できぬ授業を一日受けし児の机に片眼の落書きのあり

★父を激しう憎みいたりし教え子が父となる日を知らせて来たる

★遺されし父の眼鏡に汚れあり優しくせざりし悔いが込みあぐ

★おふくろと言ふには時間かかるらし夫を気安くおやぢと呼ぶに

★やうやくに登校したる女生徒のかばんに小さきいちごの飾り

★原子炉を冷やすべく水を注ぐ日も天には星がひしゃくを描く

★子の熱を下がるを待ちて幾たびも測るに似たり線量計を手に

★セシウムの降りたる大地を覆うごとおほいぬのふぐり一斉に咲く

★「東京は安全です」という首相「は」にて切り捨てらるる福島

★蜜多き自慢の林檎を送るにも〈安全です〉のカードを入れて

★国会前の集会雨の日が多し向かはむ道に警官がたつ

★またひとつ桃畑消ゆ残されし切り株を冬の雨が撫でいる

★内気なる生徒の賀状に下書きの鉛筆の線うすく残れる

★富岡小の校庭にボール転がれりだあれも取りに戻りては来ず

★北への旅に知りたる訛りまねながら「んだすな」などと相槌を打つ
 鑑賞力のない私にも、これらの歌は印象に残りました。
まずは、出版おめでとうございます。
御礼のお返事おくれ、失礼致しました。
 第15回 国分一太郎「教育」と「文学」研究会を2週間後に控えて
 今年の宿泊者は、26人となり、昨年より5名増えました。ことに岩手の「新しい絵の会」から4名の人が、特別参加してくれます。福島からは、、鎌田篤さんが、久しぶりに参加します。

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