子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

8月21日(月)「むのたけじ」発言その3

8月21日(月)「むのたけじ」発言その3

憲法改正に想像力総動員を
 もうすぐ参院選の投票日ですけれど、今回はこれまでにはない重要な意味を持っていますね。18歳、19歳の若い人が選挙権を持った最初の国政選挙で、憲法が改正されるかどうかに影響するということですから。そこで戦争を体験している私の話を参考に聞いてください。
 まず今の状況を見ていると、戦争が近づいてきたとしか思えないんです。政治的な意味を持つ催しだからと公共施設を貸してもらえなかったり、ロックフェスティバルが「音楽に政治を持ち込むな」と非難されたりということが起きている。テレビ番組の内容も自由にものを言う雰囲気がなくなっているでしょ。こういう状況が本当に戦時下と似ているんです。
 戦後に満州から引き揚げてきた人が「日本の満州化が進んでいる」と言ったそうですが、私もその通りだと思いますね。
 満州は中国の東北部です。そこに日本が満州国という傀儡(かいらい)国家をつくった。その国と日本は「日満議定書」を結んだ。共同防衛の条約です。満州国の国防は、現地に駐留している日本の関東軍に委託し、経費は満州国が負担するという内容です。関東軍が国防上必要と認めた施設はどんどん造るという意味の条項もある。
 どうです。日米地位協定の日本とアメリカの関係と似ていませんか。この協定の先に、沖縄が抱えるさまざまな問題があり、アメリカの戦争に日本も参加できるように解釈する憲法問題があるわけです。
 今の憲法は「戦争は絶対にしない」という前提の上で「じゃこれはどう解決しようか」と考えてきたが、憲法を改正すれば「このさい戦争もやむなし」という選択肢を入れることができるわけですね。
 若者の中には、中国や北朝鮮が攻めてくるおそれがあるのだから、それでいいんじゃないという声も出ている。でも、対立があるから力でそれを抑え込もうとするのなら、満州国での日本の歩みと同じではありませんか。歴史の過ちに学んでいないことになる。
 それと、自分が戦争に行って、相手を殺すか、殺されるかの場面に立つことは考えていないようです。
 砲弾が飛び交い、それが当たると人がぽんぽん空中に飛んで、うんうんうなりながら血を流し、内臓を飛び出させて死んでいく姿を私は見てきましたが、自分や自分の愛する人がそうなるとは考えていない机上の議論ですもの。
 多くの人が言っているように、選挙の争点は経済ではなく、その先の憲法改正だと私も思っています。憲法が改正されると自分はどうなるのか。想像力を総動員してじっくりと考え、答えを出してください。
(聞き手・木瀬公二) 2016年7月1日(金)

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