子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

9月11日(金)東京の子を読む

9月11日(金)東京の子を読む

 明日は、499回目の豊島作文の会の例会である。10月で、500回目を迎える。良く続けてきたものだ。月に1回である。夏休みはやらないので、年11回としても、何年間続けてきたか予想できる。1971年に産声を上げ、以来一度も潰さずに歩いて来た。ある時期、なかなか人が集まらず、中川忠子さんと、山崎秀夫さんと私の3人でやるような時期が4年間くらい続いた。でも、一度も潰さずにやってきた。最近は、10人前後が、平均集まるようになってきた。しかし、現役が少なくなってきていることが大変厳しい。理論研究会と合同でやったり、国分一太郎「教育」と「文学」研究会を、7月と11月に入れている。来月は、理論研究会と合同の例会になる。9月例会は、東京の子の文集を読み合うことが定着化してきている。この文集も41集めの文集である。42年間潰さずに続けたことに値打ちがある。今年は、学年ごとでなく、テーマごとに分担して読み合うことにした。新人の藤林さんが、用事があってこられないと連絡があった。そのかわり、A4に1枚作品を分析したものを、人数分宅急便で我が家に送ってくれた。まじめな人柄である。

「東京の子」41集作品分析        榎本 豊

子どもの意欲的な生活を引き出して-自然や社会に目を向けてー

 散文は、全部の作品を読んでみたが、今年の作品は、例年に比べて、作品の質が良い感じがした。応募作品が年々減っていく中で、担当サークルで、苦労して選んだのではないだろうか。豊島作文の会からの作品が、なかったことが寂しい。応募してほしい。

「かみなり」1年生

 1行1行に、雷への恐怖が伝わってくる。「かさをひくくしながら、」というのは、雷は高い木などに落ちるということを、知っていたからこういう動作をしたのだろうか。

「もみじといっしょにあそんだ」1年生

 秋を感じるところに、親子で出かけていることがうれしい。イチョウ並木を、一緒に見ているように伝わってくる。最初は、遠くの方から、イチョウ全体の景色を見て、そこからパラパラ落ちていく様子に心を動かす。やがて、自分の足下に目が行く。イチョウの一杯落ちているところに、足を持ってき、落ち葉のふわふわ感を体験しているのもいい。さらに寝っ転がっているのは、もっといい。最後に落ち葉を拾って、パラパラしているのもいい。この中に、会話が、2つか3つあれば、なおさら様子が伝わる。

「かたつむりはっけん」2年生

 低学年では、このように身近にいる動物に関心を持たせたい。生活科の教材としても、大変観察しやすいので、この文にあるようにえさをあげたり、さわったりさせたい。 

「風」2年生

 周年行事の時は、このように航空写真を児童全体で撮る。すぐに飛行機が飛んでこず、熱いときには、結構大変だ。その様子の中の一コマのたわいのない会話を切り取る。

「なぞのせいぶつをみた」3年性

 題名の付け方がよい。この題だけで読みたくなる。遊んでいるときに、謎の生物に出会い、スマホに撮るなんて、今どきの子どもだ。遊びに夢中だったので、5時まで遊び、家に帰ってから、母親と父親にそれぞれ聞いているところが、生き生きしている。

「落ち葉で遊んだ」4年生

 たった2人でも、自然の中でこのように工夫しながら遊んでいるところに値打ちがある。今どきの子どもたちは、こんな体験も、出来なくなっているのではないだろうか。作者の方が、アイディアマンだし、すぐに遊び方を提案している。顔面が出るところまで、落ち葉が集められたことがわかる。体験しながら、ふわふわ感や暖かさを感じているのもうれしい。自分たちで、工夫をしながら、自然に働きかけたり、かけられたりの文章。

「もうすぐ春だ」4年生

 日常の何気ない生活の中で、季節感を自分で感じ取っているのがいい。その目が、今度は、空を見上げて、パイプに頭を突っ込んでいる鳥に注目。近くに行き雛にえさをあげていることを確認している。学校に行く途中であったので、教室に行き、春という季節を感じているが、もっと春になったら、色んな花を見たいという締めくくりもいい。

「ちゃんと小銭持った?」6年生

 全作品の中で、この作品が一番おもしろかった。それは、出だしの父親との親子の会話から、何かおこりそうな予想が立つ。最初から6行目で、ささいな一幕から大変なことになると、結論を出している。それにしても、バスの中で40分も寝ている。塾に行く途中だが、この子は疲れている。その後に起きる、小銭がピッタリだったり、かえりに駅員に事情を言おうとしている時に、偶然おかねが2百円出てくる。それで家まで行けず、一つ手前までの切符が買えた。あとは、家まで歩いて帰る。作者にとっては、大変なことだったが、貴重な体験だった。いい作文のネタが出来たから書けた。 

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional